「外間先輩」






「おー、。」














3月、君は。
#1 屋上でいつもの君と。

















































空は太陽の光に照らされて、青く輝いている。
屋上に寝転がって、自分の心とは正反対の澄んだ青空を見上げる。




夏のプールよりも青く澄んだ空は、どこまでもどこまでも広がって。
自分と空のギャップにうんざりして寝返りをうつ。
頬に当たる灰色のコンクリートの冷たさが心地よく、静かに瞼を閉じた。








ガシャン…








重く聞きなれた音が聞こえて、わたしは顔を上げた。
屋上のドアの方を向くと、外間先輩がジュースを3本、両手に抱えて入ってくる所だった。
私が慣れたように呼びかけると、外間先輩も私の名前を呼んで隣に座り込んだ。






「よぉ、。」
「ども」








外間先輩は、相変わらず可愛気無ぇな、といつもと同じ台詞を吐いて苦笑する。
わたしも、いつも通りですから。といつもと同じ台詞を吐いて体を起こす。




いつも通りの、風景。






「…北尾先輩はまだなんですか?」
「多分」
「…」






うん、いつもこうなるから大体予想はしてたんだけど。
沈黙。
でも最近はこの静けさが妙に心地よく感じる。






大好きな




外間先輩と




一緒にいるから?






、練習出なくて良いの?」
「…練習?」
「卒業式の」
「あぁ。確かもうすぐですね。」
「もうすぐって…明後日だよ」
「そうでしたっけ」






そうだよー、と外間先輩はさっきのわたしのように寝転がる。
右手に飲んでたジュース缶を持って、グッと一口飲む。






「あー、もうこの学校ともお別れか。」
「…ですね」
、俺が居ないと寂しい?」
「まさか。」
「…ちぇ」




嘘。本当は寂しくて寂しくて、今にも押しつぶされそうで。
でもそんな可愛い事を言うのはわたしには似合わないって分かってるから。
言わない。






♪〜〜〜




「っと、ごめん。かっちゃんが呼んでる。」
「…はい。じゃあまた。」
「ん。」






外間先輩はまた階段を下りて教室に戻っていく。
今日はこのあともずっと卒業式の練習らしい。




わたしはその日、放課後まで屋上で眠り続けた。






-To be continued.-