「えー、わたし廣山先輩のがいい!」
「あんたの趣味はどうかと思うよ。」
「は?」
「…え?」
3月、君は。
#2 青春ってこんな感じ
久しぶりに教室でお昼を取ろうと、窓際で女子が集まっている所に入ってご飯を食べていると、急に友達が話を振って来た。
「だーかーら、明日の話っ」
「…あした?」
全くわけの分からないわたしに、友達は半分呆れ顔で話し始める。
「卒業式、と言ったら?」
「…は?」
「もー、分かってないんだから。」
「やっぱ第二が定番だよねーv」
「ボタン?」
わたしはもともと、こんな捻くれた性格のせいもあって、女の子の友達が少ないと思われがちだけど、実際そんなことは無くて。
寧ろ友達が多い方に分類される。
にしてもわたしは恋だ何だのと騒がないし、皆と違って冷めた性格だから、敬遠されるような存在なんだろうと入学当初から思って、覚悟していた。
それが、いざ入ってみればこの有様で。
わたしが屋上でサボろうと、ここで一緒にご飯を食べようと、大して干渉もせずに普通に受け入れてくれる。
わたしはこんな友達が好きだった。
「は貰う予定無いの?」
「な……否、ある。」
「へー?珍しいじゃん」
「わたしも一応女子高生です」
「忘れてた」
「ヒドっ」
うん、ある。
…いや、無いかも(結局どっちなんだ)
外間先輩のボタン欲しいなー…
なんて乙女な考えを持っている自分を少し羨ましがってみたり。
「…?」
「…北尾先輩」
「どしたの、こんなところで?」
「先輩こそ」
「屋上に行ったらが居なかったから…」
北尾先輩は、放課後校舎裏にいたわたしの隣に立った。
「北尾先「俺」
珍しく黙っている北尾先輩に向かって話しかけたが、それは先輩によって遮られた。
「俺、の事好きだよ。マジで。」
「…え?」
「分かってるよ。弘樹が好きなんでしょ。俺は…伝えられたらそれで良いから。」
「先輩…」
「弘樹もきっと、の事好きだよ。…だから、勇気出しなよ?」
それだけ言うと、先輩はそのままのわたしを残して帰っていってしまった。
明日、いよいよ運命の日がやってくる。
-To be continued.-