指先に絡む鮮やかなcolors





































夢から醒めてみれば、俺の指先には鮮やかな色。










「なあ、


「んー?」


「なんだろーな、このやけにカラフルな俺の手は」




その言葉とともにの目の前に差し出した俺の手。
両手共に俺の短い爪はオレンジだのピンクだので塗りつぶされていた。




「て、いうか起きたんだ弘樹。おはよー」


「ん、おはよ。ところで俺の質問に答えてくれないの。」


「あ、それ?」




は今だソファに横になっている俺の前まで来て手をとる。
一つひとつの爪を自身の爪で軽くつつく。の爪には、鮮やかな色。俺と同じように塗られている。




「うん、乾いてる。」


「ねー、何、これ」


「おそろい。」




ほら、と言って俺の手の横に自分の手を置く
確かにおそろいは分かるけど・・・さ。




「俺男・・・なんですけど一応」


「えー、だって洋くんもやってるじゃん。涼も一時期やってたし、最近はかずくんもやってるし。流行だよ。」


「皆黒とか、シンプルな奴だっただろ。」


「いーの。ほら、キンキのつよしくんもカラフルなのやってるじゃん。」


「俺、あんなキャラじゃないんだよ。」




ふう、と深いため息をつく俺。
ふふん、と得意気に笑う


埒が明かないと思った俺は、の指に自分の指を絡ませ、恋人つなぎって状態にした。
鮮やかな色が、二つずつ規則正しく並んだ。




「や、何、弘樹」


「こうしてればいいよ別に。」


「・・・ずっと?」


「ずっと。落とすまで。別に落としてこのままでも俺は構わないけど。」


「・・・」




うつむいて顔を赤くする
俺との左手薬指と右手人差し指に塗られているピンクと、同じ。
こんな可愛い彼女のこんな可愛い顔が見られるなら、たまにこれでも・・・いいかなと思えた。









優しく、の名を呼び、顔を覗き込む。
少しだけ顔を上げたに、出来る限り優しく、深く、長く、くちづけた。


一度離して、また短くキスをすると、の手が、俺の手をぎゅっと握り返してきた。




目を閉じて小さく震えるまつげとか、目を開けて潤んだ黒目とか、
キスのあと軽く開いたままの唇とか、俺の手に伝わるさらさらの髪とか。


全てが愛しく思えた。今更だけど。