ねぇ、直人?
ん?
私たち、もう離れられないね。
嫌なの?
…ううん、嬉しいの。
神ニ誓イヲ
初めて着た純白の服。
可憐で、華奢で、お菓子の様。
神の前で永遠を誓った私達は、もう二度と離れない。
隣にいる直人は、いつもの変態パシリーダーなんかじゃなかった。
音楽を作る時みたいに、ギターを弾く時みたいに、真面目な顔をしていた。
直人のタキシード姿がなんだか可笑しく思えて、つい顔がほころんだ。
直人はそんな私の方を向いて、微笑みを見せる。
そんな直人の笑顔は、カッチャンにも勝っていた。
あぁ、私はこの人のことが大好きなんだ。
今更思う。初めて直人と話したとき、初めて直人と手をつないだとき、初めて直人とキスしたとき。
出会ってからこれまでの事が、全部思い起こされる。
式も終わり、直人と二人で教会の椅子に座っていると、他のレンジメンバーがやってきた。
「おめでとう、直人。ちゃん。」
「先輩、浮気…いや、不倫はダメですよ。」
「そんなことしたら俺等容赦しないから。」
「宮森兄弟、怖い…でもちゃんは直人には勿体無いよな。」
「うん。って言うか俺の方がお似合い?」
「いや俺だって。」
かっちゃん、涼、洋、弘樹、大和、もう一回弘樹。
皆口々にお祝いの言葉を言ってくれる。
いつも通りの皆に、私は思わず吹きだした。
「いや、お前等に渡すつもりないし。は俺のだから。」
直人の言葉に、涙が出る。心から愛している人に、こんなに嬉しい言葉をかけて貰ったことが、これまであっただろうか。
「?どうしたの?」
「……ぃの。」
「え?」
「…嬉しい、の。」
そっか。と直人は少し笑って、私を抱きしめた。
直人のその行動に、本格的に涙が止まらなくなる。
「直人、顔真っ赤。」
「ん、な、カッチャン言うなよ!」
「またどもってるー。ちゃん泣かすなよ。」
「さすがパシリーダー。」
「うるさいっ!」
直人に抱きしめられて泣いていると、彼等の話し声が聞こえてくる。
私は今、きっと世界中で一番幸せ。
愛する直人と、明るい5人の友達に囲まれて。
「よしっ、式も終わった事だし、飲みに行こー!」
「え゛、大和飲むの?」
「当たり前さー。」
「やめとけよ。」
「なんで!?」
「大和は酔うと何しでかすか分かったもんじゃないからな…」
「そういう弘樹こそ。」
「ちゃんに手出したりしたらダメだからね、大和?」
「そんなことする訳…」
「「ある。」」
「ガビーン…」
その後、私達は朝まで飲んで、結局大和と弘樹は洋に怒られる始末でした。
直人、愛してるよ。
-END-
あぁついにやっちゃいました結婚ネタ。
もうレンジって結婚できる…つーかしてもおかしくない年ですよね?
直人、絶対いい旦那さんになるよ。